核酸による自然免疫応答の活性化は、防御免疫や病態免疫に重要であり、膜貫通型のToll様受容体(TLR)および細胞質内受容体に仲介される。しかし、このような核酸認識系を統合する機構が存在するかどうかは明らかになっていない。本論文では、high-mobility group box(HMGB)タンパク質であるHMGB1、HMGB2、およびHMGB3が、核酸の万能の監視役として機能することを示す。HMGBは、検証したすべての免疫原性核酸と結合し、その親和性と免疫原性の間には相関がみられた。Hmgb1−/−およびHmgb2−/−マウス細胞では、細胞質の核酸認識受容体の活性化を標的とするDNAあるいはRNAによるI型インターフェロンおよび炎症性サイトカイン遺伝子の誘導が低下していた。さらに、3つすべてのHMGBの発現が抑制されている細胞では、転写因子であるインターフェロン制御因子3(IRF3)およびnuclear factor(NF)-κBの活性化の減弱がみられるとともに、より顕著なサイトカイン遺伝子誘導の低下が示された。また、HMGBが存在しないと、核酸によるTLR3、TLR7、およびTLR9の活性化も大きく低下することが判明した。したがって、我々の結果は、核酸を介する免疫応答の活性化には階層構造が存在することを示している。つまり、核酸認識受容体の選択的な活性化は、HMGBによる核酸のより無差別な感知が条件となっている。これらの知見は、自然免疫系の進化の解明や免疫学的疾患の治療に影響を与える可能性を示している。