Letter

生化学:脱窒における亜硝酸還元のために起こるタンパク質間での電子移動の構造基盤

Nature 462, 7269 doi: 10.1038/nature08507

最近の地球科学研究によって指摘されていることだが、地球上の窒素循環に人類の手によって生物が利用できる形の窒素が加えられることによって、循環が大幅に加速され、数多くの環境問題が生じている。亜酸化窒素(N2O)は温室効果ガスで、脱窒とよばれる生物学的過程で生じる中間体である。この過程で重要な酵素が銅含有亜硝酸還元酵素(CuNIR)で、亜硝酸イオン(NO2)の一電子還元を触媒することにより、N2Oの前駆体である一酸化窒素(NO)を作り出す。この還元反応は、酸化還元の相手となるタンパク質との効率よい電子移動反応によって行われる。しかし、電子移動反応の詳細な機構はいまだに解明されていない。今回我々は、CuNIRとその相手である電子供与体シトクロムcが作る電子移動複合体の高分解能結晶構造を明らかにした。この2つのタンパク質が密着することによる脱溶媒和によって、この結合面に疎水性の電子移動経路が形成される。この結合面の構造解析によって、小さな疎水性パッチとループ領域が、2つのタンパク質どうしの認識に極めて重要な役割を果たしていることがはっきりした。また、結合面の構成がさまざまな成分原子を許容できるようになっていて、多様な生物学的電子移動に対応できるようすも明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度