Letter 物理:ハバード領域の光格子中の単一原子を検出する量子気体顕微鏡 2009年11月5日 Nature 462, 7269 doi: 10.1038/nature08482 近年、複雑な原子多体量子系の生成に大きい進展がみられている。そのような方法の1つは、巨視的で、実効的に熱力学的な振る舞いをする冷却原子集団を用いて、量子気体と物質の強相関状態を生成し、その集団特性を分析する方法である。例えば、ハバード領域の光格子中のボソン原子やフェルミオン原子は、固体モデルの量子シミュレーションに用いることができる。反対に、原子1個1個から微視的な量子系を構築し、そのすべての自由度を完全に制御する方法もある。原子やイオンは量子ビットとして動作し、量子ゲートの実現も可能であり、その目標は高度に制御可能な量子情報系を作り出すことにある。これまで、これら巨視的な手法と微視的な手法のつながりはあまりなかった。本論文では、これら2つの方法を橋渡しする量子気体「顕微鏡」について報告する。これは巨視的集団の原子を個別に検出し、状態準備と測定を通して集団の各原子に対するすべての自由度を決定するシステムを実現している。高分解能の光イメージング系を構成することで、単一原子がハバード領域の光格子の各サイト上にほぼ1の忠実度で検出される。この格子自身は、このイメージング系を通してホログラフィーマスクを投影することで生成する。これは任意の構造をもち、構造は格子サイト間の強いトンネル結合とオンサイトでの強い閉じ込めの両方が得られるように選べる。我々の方法は、物質の強く相関した状態を直接検出するのに使える。凝縮系のシミュレーションの場合、これは結晶中で1個1個の電子を検出する計のシミュレーションに相当する。またこの量子気体顕微鏡は、冷却原子を使った大規模量子情報系へのアドレスと読み出しを可能にするだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る