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細胞:着床後胚盤葉上層の多能性胚性幹細胞へのエピジェネティックな逆戻り

Nature 461, 7268 doi: 10.1038/nature08534

多能性状態は、まず胚盤胞の原始外胚葉細胞で確立されるが、その後の発生過程で、徐々に、また、不可逆的に失われる。例えば、原始外胚葉からの着床後胚盤葉上層細胞の発生には、DNAメチル化やX染色体不活化を含む、大幅な遺伝子発現の変化やエピジェネティックな変化が関与するが、これはロバストにエピジェネティックな障壁を作り出し、細胞が原始外胚葉様の状態に逆戻りすることを防いでいる。胚盤葉上層細胞は白血病抑制因子(LIF)–STAT3シグナル伝達に不応性であるが、アクチビン/塩基性繊維芽細胞増殖因子に反応して、自己複製する胚盤葉上層幹細胞(EpiSC)を形成する。EpiSCは胚盤葉上層細胞に不可欠な特性を示し、原始外胚葉に由来する胚性幹(ES)細胞とは異なっている。本論文では、N-カドヘリンの均一な発現と不活化X染色体を示す5.5〜7.5日齢のマウス胚の胚盤葉上層細胞を、LIF–STAT3シグナル伝達に反応させることで、ES細胞様細胞(rESC)に再プログラム化したことを示す。培養胚盤葉上層細胞は、胚盤葉上層細胞の主要な特性の消失が進むにつれて、徐々にエピジェネティックな障壁を乗り越え、その結果、DNAの脱メチル化、X染色体の再活性化、およびE-カドヘリンの発現がみられるようになる。それに伴って起こる遺伝子発現の変化により、胚盤葉上層細胞の表現型やエピジェネティックな記憶が失われる。この方法を使えば、確立されたEpiSCをrESCに戻すことも可能であった。得られたrESCは、胚盤葉上層やEpiSCとは異なり、キメラにおいて体細胞組織や生殖細胞に寄与する。さらなる研究によって、シグナル伝達で誘導されるエピジェネティックな再プログラム化がどのように多能性の再獲得を促進できるのかが明らかになるかもしれない。

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