Letter 発生:ショウジョウバエにおけるlarge Maf遺伝子traffic jamによるpiwiの調節回路 2009年10月29日 Nature 461, 7268 doi: 10.1038/nature08501 PIWI-interacting RNA(piRNA)は、PIWIタンパク質Argonaute 3(AGO3)やAubergine(Aub)、Piwiと結合して、ショウジョウバエ(Drosophila)の生殖細胞系列におけるレトロトランスポゾンの抑制を行う。ショウジョウバエのpiRNAは、一次プロセシング経路と増幅ループの2つのシステムによって、遺伝子間反復遺伝子とpiRNAクラスターから作られる。この増幅ループはDicer非依存的で、PIWI-Slicer依存的な様式で生じる。しかしながら、一次piRNAのプロセシングについてはよくわかっていない。本研究では、Piwiは発現しているがAubやAGO3は発現しておらず、そのため一次piRNAのみが存在するショウジョウバエの卵巣由来の体細胞株で、piRNAのプロセシングを解析した。Piwi特異的piRNAクラスターであるflamencoに加え、large Maf転写因子遺伝子であるtraffic jam(tj)が新規のpiRNAクラスターであることが明らかになった。tjから生じるpiRNAは、tjメッセンジャーRNAの非翻訳領域に対応するセンス鎖である。PiwiへのpiRNAの取り込みは、細胞質で起こるらしい。細胞質に局在するヌクレアーゼをコードすると推定される遺伝子zucchiniは、tj由来のpiRNA産生に必要である。tjとpiwi変異体の卵巣では、体細胞は生殖細胞と混在することができず、Fasciclin IIIが過剰発現する。tjの欠失は、生殖巣体細胞でPiwiの発現を消失させる。したがって、生殖巣の体細胞では、tjはPiwiの発現を活性化するTJタンパク質と、Piwiによって抑制される標的遺伝子を定義するpiRNAという2つの異なる分子を同時に作り出すといえる。 Full Text PDF 目次へ戻る