Letter 物理:強い短パルス・レーザー場における中性原子の加速 2009年10月29日 Nature 461, 7268 doi: 10.1038/nature08481 振動する電場の中の荷電粒子は、一周期で時間平均した強度の勾配に比例する力を受ける。この動重力(ポンデロモーティブ力)とよばれる力は、荷電粒子のPaulトラップ、強い(定在)レーザー場による電子回折(Kapitza-Dirac効果)、レーザーによる粒子加速など、さまざまな物理的状況の中で重要な役割を担っている。不均一な光の場の中で中性原子に働く比較的弱い力は、原子の動力学的分極から生じると考えられており、物理的には一周期で時間平均した力に似ている。今回我々は、短いパルスのレーザー場の中の中性原子に働く、これまで考慮されていなかった極めて強い運動学的な力を観測した。電子に働く動重力が駆動機構となって、地球の重力加速度 gの約1014倍もの極めて強い加速度が中性原子に加わることが明らかになった。我々が知るかぎりでは、これは外場の中の中性原子に加わる加速度としては桁外れに大きい観測結果であり、基礎物理学と応用物理学の双方に新しい応用をもたらす可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る