Letter

量子情報科学:量子コンテクスチュアリティの状態に依存しない実験検証

Nature 460, 7254 doi: 10.1038/nature08172

量子現象が、隠れた変数を用いた古典モデルによって説明できるかどうかという問題については、長い間議論が続いている。1964年にベルは、ある種の古典モデルでは、遠く離れた粒子の特定の状態に対する量子力学の予測を説明できないことを示し、そして隠れた変数モデルの一部は実験で否定されてきた。古典モデルの直感的特徴はノンコンテクスチュアリティ(non-contextuality)である。これは、どのような測定も、同時に行われたほかの両立する測定の結果とは独立な値をもつという性質である。しかし、コッヘン、スペッカー、およびベルが導いた定理は、ノンコンテクスチュアリティが量子力学と矛盾することを示している。矛盾は理論の構造にあり、特殊状態の性質には依存しない。そもそも、コッヘン-スペッカー定理が実験で検証できるかどうかについては異論があった。量子コンテクスチュアリティの最初の検証はつい最近提案され、光子と中性子で行われた。しかし、これらの検証は特殊な量子状態の発生が必要で、さまざまな抜け穴が残っている。本研究ではトラップされたイオンについての実験を行い、ノンコンテクスチュアリティとの状態に依存しない矛盾を証明した。この実験では検出効率に関する抜け穴は存在せず、また実験の不完全性と測定の擾乱はあるものの、我々の結果はノンコンテクスチュアルな項では説明できない。

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