Letter 免疫:トレオニン脱リン酸化酵素Eyes absentによる自然免疫応答の調節 2009年7月23日 Nature 460, 7254 doi: 10.1038/nature08138 自然免疫は、ウイルスや細菌の構成成分によってばかりでなく、非微生物性の危険信号(ダメージ関連分子パターン)によっても活性化される。ダメージ関連分子パターンの1つに、分解を免れた染色体DNAがある。プログラム細胞死や赤血球新生において、死細胞由来のDNAもしくは赤芽球から排出された核DNAは、死細胞や核がマクロファージにより貪食された後DNアーゼIIによって分解される。DNase II−/−(Dnase2a−/−としても知られる)マウスでは、未分解DNAを蓄積したマクロファージがToll様受容体(TLR)非依存的なメカニズムによって活性化され、インターフェロンβ(IFN-β)および腫瘍壊死因子α(TNF-α)を産生する。このためこのマウスは重篤な貧血または慢性関節炎を発症する。今回我々は、当初転写共役因子として同定されたEyes absent 4(EYA4)が、アポトーシス細胞の未分解DNAに応答してIFN-βおよびCXCL10の発現を促進することを示す。EYA4は、ウイルス(ニューカッスル病ウイルスと水疱性口内炎ウイルス)に対する自然免疫応答も促進し、また自然免疫のシグナル伝達に関与する分子(IPS-1(MAVSとしても知られる)、STING(TMEM173)そしてNLRX1)と会合した。EYAが脱リン酸化酵素活性をもつことは、3つの研究グループが以前に明らかにしている。我々は、マウスのEYAファミリーメンバーが、リン酸化チロシンおよびリン酸化トレオニンの両方に対する脱リン酸化酵素活性をもつことを見いだした。Eya分子のカルボキシ末端にあるハロ酸脱ハロゲン化酵素ドメインにはチロシン脱リン酸化酵素活性、アミノ末端側にはトレオニン脱リン酸化酵素活性が認められた。チロシン脱リン酸化酵素活性ではなく、トレオニン脱リン酸化酵素活性の変異によってEYA4の自然免疫応答を増強する能力が消失したことから、EYAは、自然免疫に関与するシグナル伝達因子のリン酸化状態を変化させることによって、その細胞内病原体に対する応答を調節していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る