Article 医学:ファンコニ貧血の誘導多能性幹細胞に由来する、疾患の修正された造血前駆細胞 2009年7月2日 Nature 460, 7251 doi: 10.1038/nature08129 誘導多能性幹細胞(iPS細胞)の作製によって、患者特異的な多能性細胞の誘導が可能となり、ヒト疾患をモデリングするための貴重なプラットフォームが得られた。患者特異的なiPS細胞は、治療用としても大きな可能性をもつと考えられるが、このことを直接的に示す証拠はまだ得られていない。本論文では、ファンコニ貧血患者由来の体細胞は、遺伝子異常を修正した後に初期化して多能性を誘導し、患者特異的なiPS細胞の作製が可能であることを示す。これらの細胞株は、外見上はヒト胚性幹細胞や健常者由来のiPS細胞と区別がつかない。最も重要なのは、疾患が修正されたファンコニ貧血特異的iPS細胞では、骨髄系および赤血球系の造血前駆細胞を形成でき、これらの前駆細胞の表現型が正常、つまり無疾患であったことである。これらのデータは、iPS細胞技術が、細胞治療に使用可能と思われる、疾患が修正された患者特異的細胞の作製に使えることを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る