Letter 物性:強誘電状態の非破壊読み出しのための巨大トンネル電気抵抗 2009年7月2日 Nature 460, 7251 doi: 10.1038/nature08128 強誘電体は、電気的にスイッチングできる安定した自発分極を示し、サブマイクロメートルの厚さの強誘電体膜は、破壊性の容量読み出しを行う不揮発性記憶素子として現在使用されている。極めて薄い強誘電体障壁をもつトンネル接合を利用したメモリーであれば、非破壊性の抵抗読み出しが可能になるだろう。しかし、室温での分極安定性とスイッチングを非常に薄い膜厚で実現することは困難である。今回我々は、室温で圧電応答力顕微鏡法を使い、高度に歪んだBaTiO3膜では、1 nmまで薄くなってもロバストな強誘電性が現れることを示す。また、我々は、室温導電性ティップ原子間力顕微鏡法により、トンネル電流への分極状態の影響を解する抵抗読み出しを実証している。得られた電気抵抗効果は、強誘電体膜の厚さとともに指数関数的に変化し、3 nmで約75,000%に達する。我々の方法では、このような非常に薄い膜厚ではトンネル現象に支配される通常は好ましくないリーク電流を利用して、非破壊的に分極状態を読み出している。70 nmまでのスケーラビリティーが実証されているが、これは16 Gbit inch−2を超える密度が可能であることに相当する。これらの結果は、単純な構造とより高い密度をもち、より高速で動作する強誘電体メモリーへの道を開くものであり、ナノスケールでの量子トンネル現象と強誘電性の相互作用をさらに深く探究するきっかけとなると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る