Letter 脳:ヒト視覚野における迅速な自然情景カテゴリー化の神経学的機序 2009年7月2日 Nature 460, 7251 doi: 10.1038/nature08103 視覚系は、複雑な自然情景からカテゴリー化された情報を抽出するという、極めて優れた能力をもつ。例えば被検者は、ごく短時間提示される新たな情景の中に、動物や乗り物といったカテゴリーに属する物体存在を迅速に検知できる。被検者がその情景に注意を向けておらず、注意を要する無関係の課題を同時に行っているときでさえそうであり、これは視覚的注意に関する大半の学説で予想されている能力的限界とは非常に対照的である。今回我々は、機能的磁気共鳴画像法を使い、被験者が瞬間的に提示された自然情景の中に人または自動車の存在を検知する物体カテゴリー化課題を用いて、視覚野における自然情景の迅速なカテゴリー化に関する神経学的基礎を示す。自然情景によって物体選択的な皮質に現れる神経活動のマルチボクセルパターンには、その情景が課題とは無関係で、空間的注意の焦点外に提示されている時でも、標的カテゴリーの存在に関する情報が含まれていた。これらの知見から、自然情景中のカテゴリー情報の迅速な検知は、物体選択的な皮質におけるカテゴリー特異的なバイアス機構によって行われることがわかる。この機構は視野全体にわたって平行して働いており、標的物体カテゴリーに属する物体を優先するように情報処理にバイアスをかけている。 Full Text PDF 目次へ戻る