Letter 細胞:ショウジョウバエの全ゲノムサイレンシングで捕えられた保存されたアポトーシスエフェクター 2009年7月2日 Nature 460, 7251 doi: 10.1038/nature08087 アポトーシスは、多くのヒト疾患の病因、発生病理および治療で十分に確証された、保存された形式をもつプログラム細胞死である。アポトーシスの核心となる装置の中心は、カスパーゼとその近傍の調節因子である。カスパーゼ制御の現在のモデルには、正反対に働く要素の釣り合いがかかわっており、細胞型や生物種によって正および負の調節因子がさまざまに寄与している。カスパーゼ依存性の細胞死を支える構成要素の包括的解明を進めるために、今回ショウジョウバエ(Drosophila)モデルで全ゲノムのサイレンシングスクリーニングを、二本鎖RNAライブラリーと、ReaperとSmac(別名Diablo)ファミリーの無傷の調節因子の働きを模倣するアポトーシスタンパク質阻害因子(IAP)の化学的拮抗物質を用いる方法により行った。本論文では、いくつかの刺激により誘導される細胞死に必要であることが確認された一群の標的を示す。これらの中で、Tango7が新たなエフェクターであることが突き止められた。この遺伝子を欠失した細胞は、エフェクターカスパーゼ活性の誘導前の段階でアポトーシスに抵抗性を示し、ショウジョウバエでTango7を選択的にサイレンシングすると、カスパーゼに依存したプログラム細胞死が防止される。このモデル系の既知のアポトーシス調節因子とは異なり、Tango7の活性はショウジョウバエのDIAP1(別名thおよびIAP1)の刺激依存的消失には影響しなかったが、発動型カスパーゼDronc(Nc)のレベルを調節した。同様に、Tango7のヒト・オルソログであるPCID1(別名EIF3M)はカスパーゼ9の作用に抑制的影響を与えることから、アポトソームに影響する新たな調節軸が明らかとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る