Letter 発生:生体力学的力は胚の造血を促進する 2009年6月25日 Nature 459, 7250 doi: 10.1038/nature08073 生体力学的な力は、胚形成、特に発生中の心血管系において重要な調節因子であることが明らかになってきた。脊椎動物では心拍動開始後、背側大動脈の腹側、胎盤血管、臍帯動脈および卵黄動脈の管腔表面を覆う細胞が、造血の主要な調節因子である転写因子Runx1を発現するようになり、造血細胞が生じる。この発生段階で血管壁にかかる生体力学的な力が、造血能の決定因子として作用するかどうかはまだわかっていない。今回我々は、in vitroで分化させたマウスの胚性幹細胞を用いて、流体によるずり応力がCD41+ c-Kit+造血前駆細胞でRunx1の発現を増加させ、同時に造血コロニー形成能を増強することを示す。さらに、ずり応力はマウス胚の傍大動脈内臓包葉/大動脈-生殖線-中腎で、造血コロニー形成能と造血マーカーの発現を増加し、ずり応力誘発性シグナル伝達の仲介因子である一酸化窒素の抑制は、in vitroおよびin vivoで造血能を阻害する。総合すると以上の結果は、造血系発生における生体力学的力の重要な役割を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る