Letter 宇宙:エンセラダスの水蒸気プリューム中にナトリウムは存在しない 2009年6月25日 Nature 459, 7250 doi: 10.1038/nature08070 土星の衛星エンセラダスから噴出する水蒸気や氷粒子の発見から、内部の海洋がその源であると推測されるようになった。あるいはその源は、地殻運動によって温められて溶けたり、砕かれたりした氷の可能性もある。岩石質のコアと接触する長寿命の海洋には、塩化ナトリウム(つまり塩)が存在すると予測される。本論文では、エンセラダス近傍にあるナトリウム原子を地上から分光学的に探査したことを報告する。これにより、水蒸気プリュームにおける混合比の上限は、予測される海洋塩分より数桁小さい値であることが突き止められた。散逸する水蒸気のナトリウム含有量が低いことは、塩化ナトリウムを含む粒子の割合が低いこととあわせて、表面付近の間欠泉は塩を含んだ海洋が地殻の亀裂を通じて噴出しているという状況とは相反する。観測可能なナトリウムが水蒸気中に存在しないことは、深海、淡水貯留層あるいは氷などの、多様なほかの噴出源に一致する。現在得られているデータは、これらの仮定を弁別するには不十分であると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る