Article 進化:中国で出土したジュラ紀のケラトサウルス類は鳥類の指の相同関係の解明に役立つ 2009年6月18日 Nature 459, 7249 doi: 10.1038/nature08124 獣脚類恐竜の手(前肢末端部)にある指は、ほかの四肢動物群で手の内側および外側から指の数が減少したのとは異なり、外側から消失していったと従来考えられてきた。この独特な指の減少パターンは、原始的な獣脚類で明瞭に認められ、非鳥類のテタヌラ類でも、手の3本の指が内側のもの(第I-II-III指)に当たると示されたことにより、同じパターンだと推論されている。このことは、現存する唯一のテタヌラ類である鳥類で、手の3本の指が第II-III-IV指に当たることを示す多くの発生学的研究と相いれない。本論文では、中国のジュラ紀オックスフォード期(1億5,600万〜1億6,100万年前)の地層から出土した、新種の原始的なケラトサウルス類について報告する。これは、アジアで初めて発見されたケラトサウルス類であり、くちばしをもつ草食性のジュラ紀獣脚類として知られる中で唯一のものである。最も重要なのは、この分類群の手の第I指が極度に縮小していることで、これは獣脚類の指の減少パターンの複雑さを表している。獣脚類間での手の比較により、原始的なテタヌラ類の手の3本の指は、中手骨の特徴の多くが第II-III-IV指のものに類似しているのに対し、指骨の特徴は、より原始的な獣脚類の第I-II-III指のものに類似していることが明らかになった。鳥類がII-III-IV型であることを考えると、最も単純な説明は、それを全テタヌラ類に共通のものと考えることである。テタヌラ類への移行には、指の変化を含む手の複雑な変化が伴っており、ケラトサウルス類はその中間的な状態の1つを表している。 Full Text PDF 目次へ戻る