Letter

物性:2層グラフェンにおける広範囲に調節可能なバンドギャップの直接観測

Nature 459, 7248 doi: 10.1038/nature08105

電子バンドギャップは、半導体と絶縁体に固有の特性であり、それらの輸送特性や光学特性は主にこれによって決まる。したがって、電子バンドギャップは、現代のデバイス物理やデバイス技術において中心的役割を果たしており、p-n接合、トランジスター、フォトダイオード、レーザーなどの半導体デバイスの動作を支配している。調節可能なバンドギャップ、特に可変外部電場をかけることによって調節可能なものは、そのようなデバイスの設計、最適化が極めて柔軟に行えるので非常に望ましい。しかし、従来の材料では、バンドギャップは結晶構造によって決まるため、そのようなバンドギャップ制御はできない。今回我々は、電気的ゲートを有する2層グラフェンで広範囲にわたって調節可能な電子バンドギャップを実現したことを示す。デュアルゲート2層グラフェン電界効果トランジスター(FET)と赤外顕微分光法を用いて、ゲート制御され最高250 meVまで連続的に調節可能なバンドギャップが実証された。我々の手法では、制御されない化学ドーピングを行っておらず、以前の試みでは成功しなかった、ゼロから中赤外までのスペクトル範囲にわたる広範囲に調節可能なバンドギャップの直接証拠が得られた。このような系の優れた電気輸送特性を合わせて考えると、今回の静電バンドギャップ制御は、グラフェンを利用した新しいナノエレクトロニクス・デバイスやナノフォトニクス・デバイスに応用できると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度