Article 生化学:アルキル化DNA損傷のフリッピングが塩基とヌクレオチド除去修復を橋渡しする 2009年6月11日 Nature 459, 7248 doi: 10.1038/nature08076 アルキルトランスフェラーゼ様タンパク質(ATL)は、がん化学療法の標的であるO6-アルキルグアニン-DNAアルキルトランスフェラーゼ(AGT)と機能的モチーフを共有するが、AGTの反応性システインおよびアルキルトランスフェラーゼ活性を欠いているにもかかわらず、DNAアルキル化損傷の生物学的な影響から細胞を保護する。今回我々は、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeのATLの、内在性損傷部位であるO6-メチルグアニン、またはタバコの煙によって生じるO6-4-(3-ピリジル)-4-オキソブチルグアニンを含む損傷DNAと結合した構造と、結合していない構造を決定した。これらの結果から、DNAヌクレオチドの非酵素的フリッピングや、AGTと比べてDNAの歪みや結合ポケットの大きさが増すことが明らかになった。損傷結合部位の保存に関する解析により、イソギンチャクと祖先型古細菌に新たなATLが見つかり、これはATLの相互作用が、生物のすべてのドメインで現在みられる修復経路の祖先型であることを示唆している。哺乳類のXPG(ERCC5としても知られる)およびERCC1と、それらのS. pombeでのホモログにあたるRad13およびSwi10との遺伝学的関連性、大腸菌(Escherichia coli)のUvrAおよびUvrCとの生化学的相互作用、そして構造解析を組み合わせることで、ATLはアルキル化DNAの形を変えて、ヌクレオチド除去修復による塩基損傷処理機構と遺伝学的かつ構造的に結びつけていることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る