Letter

気候:地球温暖化は累積炭素排出量に比例する

Nature 459, 7248 doi: 10.1038/nature08047

大気中CO2の増加に対する全球気温の応答は、平衡気候感度と過渡的気候応答などの評価指標で定量化されることが多い。しかし、このような方法は、炭素循環のフィードバックを計上しておらず、それゆえ、人為起源のCO2排出に対する地球システムの正味の応答を十分に表現していない。気候-炭素モデル実験では次のことが示されている。(1) 単位CO2排出量当たりの温暖化は背景のCO2濃度に依存しない。(2) 気候安定化のために許容できる総排出量は排出の時期に依存しない。そして、(3) CO2のパルス的な増加に対する気温応答は数十年から数世紀の時間スケールでほぼ一定である。本論文では、これらの結果を一般化し、累積炭素排出量に対する気温変化の比として定義される炭素-気候応答(CCR)が、このような時間スケールでは大気中のCO2濃度とその濃度の変化速度の両方に対して、ほぼ無関係であることを示す。観測結果に基づく制約から、CCRは排出量1兆トン炭素(TtC)当たり1.0〜2.1 °Cの範囲内(5〜95パーセンタイル)と見積もられ、この値は気候-炭素モデルによって計算された21世紀のCCR値と一致する。しかし、土地利用によるCO2排出量とエアロゾルの強制力が不確実であることから、観測的に制約されたより高い値を除外することはできない。CCRは、理想化された条件下で気候‐炭素モデルを使って見積もられれば、モデルを比較する際の、気候フィードバックと炭素循環フィードバックの両方を統合した、単純かつロバストな評価指標となる。CCRは、気候変化の緩和と政策に役立つ概念にもなると思われる。つまり、気候感度、炭素シンク、および気候-炭素フィードバックに伴う不確定性を結び合わせて1つの量にすることで、CCRならばCO2によって起こる全球平均の気温変化を累積炭素排出量から直接推定できるからである。

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