Letter ナノテクノロジー:ブリンクしない半導体ナノ結晶 2009年6月4日 Nature 459, 7247 doi: 10.1038/nature08072 さまざまな単独の分子やナノサイズ結晶からの光ルミネセンスの顕著な特徴は、大きな強度ゆらぎである。これは、連続光励起のもとであっても断続的に「オン」「オフ」する「ブリンキング」として知られている。半導体ナノ結晶の場合、この「オフ」期はナノ結晶の帯電に対応すると当初は考えられていた。帯電ナノ結晶なら、余分な電荷と続いて励起される電子-正孔対の間で非発光(例えばオージェ)再結合過程が高い効率で起こるため、光ルミネセンスが一時的に消える可能性があり、光ルミネセンスはナノ結晶が再び中性化した後にのみ再開されるだろう。10年を超える研究にもかかわらず、全くブリンクしないナノ結晶は合成されたことがなく、ブリンキング現象は解明されていなかった。今回我々は、ブリンクしない連続光ルミネセンスを示す3成分系コア/シェル型CdZnSe/ZnSe半導体ナノ結晶について報告する。意外にも、これらのナノ結晶は、複数ピークをもつ光ルミネセンススペクトルの形状と短い寿命で示されるように、帯電していても強い光ルミネセンスを示す。CdZnSe/ZnSeナノ結晶の特異な光ルミネセンス特性をモデル化するために、我々は、典型的なコア/シェル型ナノ結晶の急峻な閉じ込めポテンシャルをなだらかにした。これは、結晶構造が半径方向にCdZnSeからZnSeへ徐々に変化する合金であることを示唆している。連続的な単一光子出力を必要とする用途では、光ルミネセンスのブリンキングによってナノ結晶の有用性は非常に限られたものとなっているので、このブリンクしないナノ結晶によって、単一分子生体ラベリングから低閾値レーザーに至るさまざまな分野で大きな進展が可能になるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る