Letter

宇宙:水素の外層をもたない低エネルギー重力崩壊型超新星

Nature 459, 7247 doi: 10.1038/nature08023

大質量星の最後の運命は、多くの要因に依存して決まる。太陽質量の25〜30倍よりも大きい初期質量をもった星は、強い星風による質量損失のため、星の外層に水素が欠乏したウォルフ・ライエ星として一生を終えることが理論的に示唆されている。これらの星のうち最も質量の大きなものは、ブラックホールを形成する可能性がある中心核をもち、理論からは、結果としてその一部に生じる爆発により、低運動エネルギーで、可視光で暗く、放射性ニッケルの質量分率が小さな放出物が生成されると予測される。低エネルギー超新星の起源としてはもう1つ、太陽質量の7〜9倍の星の酸素-ネオンの中心核崩壊が考えられるが、爆発が弱く水素が欠乏した重力崩壊型の超新星はこれまで観測されていない。本論文では、SN 2008ha が、暗く水素に乏しい超新星であることを報告する。同様な現象はほかにも観測されていたが、特殊な熱核反応型超新星(SN 2002cxに似た現象とよばれたこともあった)として誤って分類されていたと我々は考える。この発見は、これらの暗い超新星と、継続時間の長いγ線バーストとを結びつける可能性がある。なぜなら、極端に暗い、水素をはぎ取られた重力崩壊型超新星は、そのような継続時間の長いγ線バーストを引き起こすと考えられており、その残光には随伴する超新星が存在する証拠が見つからないからである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度