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細胞:DNA損傷後には、Fボックスタンパク質FBXO31がサイクリンD1を分解させてG1期停止を引き起こす

Nature 459, 7247 doi: 10.1038/nature08011

真核細胞は、DNA損傷に応答してDNA損傷応答(DDR)と名付けられた複雑なシグナル伝達経路を起動し、その働きにより細胞周期の停止とDNA修復が連係して起こる。がん遺伝子が引き起こす老化は腫瘍の発生を妨げる働きをするが、これにDDRの活性化がかかわることが明らかになっている。我々は、これまでに初代繊維芽細胞と初代メラノサイトでゲノム規模のRNA干渉(RNAi)スクリーニングを行い、がん遺伝子BRAFによる老化誘導に必要な因子17個を同定した。これらのうちの1つがFボックスタンパク質FBXO31である。これは16q24.3にコードされる腫瘍抑制因子候補で、乳がん、卵巣がん、肝細胞がん、前立腺がんでは、この領域にヘテロ接合性消失がみられる。今回我々は、FBXO31の細胞での役割を調べ、その標的となる基質を同定し、増殖阻害活性の基盤を明らかにした。サイクリンD1はG1期からS期への進行を調節する重要な因子だが、FBXO31を異所性発現させると、プロテアソームがかかわる経路を介してサイクリンD1の分解が起こり、G1停止が起こる。サイクリンD1の分解は、FBXO31との直接的な結合の結果起こり、FBXO31のFボックスモチーフ、およびThr 286のリン酸化(サイクリンD1のタンパク質分解に必要とされる)に依存している。がん遺伝子が誘導する老化にDDRが関係することから、DNA修復にFBXO31が果たす役割を調べた。その結果、γ線照射で生じたDNA損傷によってFBXO31レベルが上昇すること、それにはDDRを開始させるキナーゼATMによるFBXO31のリン酸化が必要なことがわかった。RNAiによってFBXO31をノックダウンすると、γ線照射後に細胞がG1停止を効率よく起こせなくなり、DNA損傷に対する感受性が著しく上昇した。さらに、さまざまなDNA損傷剤はいずれもFBXO31レベルを大幅に上昇させることが明らかになり、FBXO31の誘導が遺伝毒性ストレスに対する一般的な応答であることが示された。これらの結果から、FBXO31が、DNA損傷によって起こる成長停止に特異的に必要とされるG1-S期移行の調節因子であることが明らかになった。

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