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神経:NMDA受容体活動度がNR2サブユニットによって異なった制御を受ける機序

Nature 459, 7247 doi: 10.1038/nature07993

N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体(NMDAR)は、中枢神経系の主要な興奮性神経伝達物質受容体である。NMDARは、カルシウム透過性が非常に高いグルタミン酸作動型イオンチャネルを構成し、活動度依存的なシナプス可塑性を仲介する。NMDARの機能異常は、脳卒中、慢性疼痛や統合失調症を含む多くの脳疾患に関係するとされている。NMDARには、薬理学的、生物物理学的性質がそれぞれ異なる複数のサブタイプが存在し、この違いは主に、ヘテロマーNR1/NR2複合体に組み入れられたNR2サブユニット(NR2AからNR2D)の種類によって決まる。NMDARサブタイプ間の基本的な違いはチャネルの最大開口確率(PO)で、この値はNR2Aを含む受容体の約0.5から、NR2CおよびNR2Dを含む受容体の約0.01まで、ほぼ50倍の範囲にまたがっており、NR2Bを含む受容体はこの中間の値(約0.1)を取る。これらのPOの違いが、個々の受容体サブタイプ独自の電荷輸送容量やシグナル伝達特性をもたらしている。NMDARサブタイプの活動度のこの大きな違いの分子基盤は不明である。今回我々は、NMDARのサブユニット特異的ゲート開閉は、NR2アミノ末端ドメイン(NTD)、細胞外の二枚貝の貝殻のような形のドメイン(以前にアロステリック阻害剤に結合することが示されている)、およびNTDとアゴニスト結合ドメイン(ABD)をつなぐ短いリンカーによって形成される領域により制御を受けることを示す。NMDARのPOのサブタイプ特異性は主として、NR2-NTDの「裂け目が開いた」コンホメーションと「裂け目が閉じた」コンホメーション間の自発的(リガンド非依存的)平衡状態の違いを反映している。このNTDが駆動するゲート開閉制御は、内在性阻害物質である亜鉛やプロトンに対する感受性を設定することにより、薬理学的特性にも影響を与える。今回の結果は、受容体を阻害するNR2-NTD「閉鎖薬」、あるいは働きを促進する「開口薬」として作用する分子を用いて、薬剤によりNMDAR活性を両方向に制御するという概念の証明となる。

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