Letter 脳:パルブアルブミン性ニューロンとガンマリズムは皮質回路の性能を高める 2009年6月4日 Nature 459, 7247 doi: 10.1038/nature07991 同調振動と抑制性介在ニューロンは、皮質の局所回路内で重要で相互関連した役割をもつ。特に、高速で発火する性質とカルシウム結合タンパク質パルブアルブミンの発現によって特徴付けられる介在ニューロンは、情報処理を強化すると想定されるガンマ振動(30〜80 Hz)に関与することが示唆されている。しかし、これまでパルブアルブミン性介在ニューロンは選択的に調節することができなかったため、ガンマ振動におけるその機能的意義についてのはっきりした検証や、パルブアルブミン性介在ニューロンとガンマ振動が皮質回路に対してもつ影響の定量的な評価は、重大な意義があると言われながらもなされてこなかった(例えば、パルブアルブミン性介在ニューロンの異常が、ガンマ振動数の同期性変化や統合失調症、自閉症での認知異常の原因であるかもしれない)。今回、マウスで一連の光遺伝学的技術を用い、新皮質の複数の別個な回路要素を、単独にまたは組み合わせて、特異的に調節した。その結果、パルブアルブミン性介在ニューロンを抑制すると、in vivoでガンマ振動が低下すること、一方、これらの介在ニューロンを駆動させるだけで(たとえ主細胞の非周期的発火による方法によってでも)新たにガンマ振動数をもつ周期発火を発生させるのに十分であることがわかった。また、興奮性入力をガンマ振動数で調節すると、回路ノイズが減って回路信号が増幅されるため、パルブアルブミン性介在ニューロンへの入力も含めた新皮質への信号伝達が強化されることもわかった。ここで示すような光遺伝学的手法は、脳機能の新たな情報理論的検討への扉を開くものであり、無傷の神経回路で生起する機能や動作における個々の要素の機能的意義を、定量的に表すことを可能にする。 Full Text PDF 目次へ戻る