Letter

細胞:マクロファージMap4k4を標的とするsiRNAの経口送達は全身性炎症を抑制する

Nature 458, 7242 doi: 10.1038/nature07774

二本鎖RNAによる遺伝子サイレンシングはRNA干渉とよばれ、合理的な薬剤設計のための新しい枠組みである。しかし、短鎖干渉RNA(siRNA)が画期的な治療法となるには、in vivoで特定の標的細胞に安全に送達するという重要な問題が障害となっている。マクロファージは、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化、炎症性腸疾患および糖尿病のような疾患で、病因となる炎症応答を促進するため、RNA干渉治療の標的として特に注目を集めている。本論文では、効率的な経口送達手段となる、siRNA封入β1,3-D-グルカン粒子(GeRP)を作製したことを報告する。これは、in vitroおよびin vivoでマウスのマクロファージの遺伝子を強力にサイレンシングする。腫瘍壊死因子α(Tnf-α)を標的とするsiRNAを20 µg kg−1だけ含むGeRPをマウスに経口胃管投与すると、腹腔、脾臓、肝臓および肺から採取されたマクロファージでTnf-αのメッセンジャーRNAが大幅に減少し、また、血清Tnf-α濃度が低下した。GeRPによる炎症遺伝子のスクリーニングによって、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(Map4k4)が、サイトカイン発現のこれまでには知られていなかったメディエーターであることが明らかになった。in vivoでマクロファージのMap4k4をサイレンシングすると、Tnf-αおよびインターロイキン-1β産生の抑制によって、マウスがリポ多糖誘発性の死亡を起こさなくなったのは重要である。この手法は、ヒトの疾患でsiRNAの経口送達により炎症応答を減弱するための新しい戦略となる。

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