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細胞:piggyBac転位は繊維芽細胞を初期化して誘導多能性幹細胞にする

Nature 458, 7239 doi: 10.1038/nature07863

体細胞を多能性状態に初期化するには、たった4つの決められた転写因子(c-Myc、Klf4、Oct4およびSox2)を遺伝子導入して発現させるだけで十分であることがわかっている。この結果生じる誘導多能性幹(iPS)細胞は、その特性と、さまざまなタイプの成体細胞への分化が可能である点が胚性幹細胞に類似している。現在の初期化戦略では、初期化因子の遺伝子を導入するために、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルスあるいはプラスミドのトランスフェクションが必要である。最後の2つの方法は、一過性であり、挿入突然変異誘発の可能性が極めて低くなるが、初期化効率が低いため現在はあまり用いられていない。piggyBac(PB)転位は宿主因子には依存しておらず、また、最近、ヒトやマウスのさまざまな細胞株で機能することが示されている。PBトランスポゾン/トランスポザーゼ系では、挿入あるいは除去を触媒するために、導入遺伝子に隣接する逆方向の末端反復配列とトランスポザーゼ酵素の一過性発現のみが必要である。本論文では、PB転位で導入されたドキシサイクリン誘導性転写因子によって、マウスおよびヒトの胚性繊維芽細胞が効率的に初期化されることを示す。このようにして作出された安定したiPS細胞は、特徴的な多能性マーカーを発現し、一連の厳格な分化段階評価でも結果は良好である。我々は、PB系ではもともと継ぎ目が残らず除去される傾向があることを利用し、樹立されたiPS細胞株から個々のPB挿入断片を除去することができることを示す。これは研究の非常に重要な手法ツールとなる。さらに我々は、単一のトランスポゾンによって導入されたウイルス性2A配列と連結された初期化因子を、マウスiPS細胞株から痕跡を残さずに除去したことを既に示している。このウイルスに依存しない単純化されたiPS細胞作出法の独特の特性により、この分野において、初期化過程の完全な探求と、細胞を基盤とする治療の開発が進むことが期待される。

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