Letter

植物:助細胞から分泌される花粉管誘引物質は、デフェンシン類似のポリペプチドLUREである

Nature 458, 7236 doi: 10.1038/nature07882

140年以上もの間、被子植物の花粉管は、目標となる胚珠の出す化学誘引物質によって誘導されると考えられてきた。しかしこれまで、さまざまな分子のどれについても、実際に花粉管を胚珠まで導く本物の誘引物質であるという納得のいく証拠は見つかっていなかった。花粉管誘導の最終段階で、卵細胞の隣にある2個の助細胞から拡散性の種特異的シグナルが出て花粉管を誘引していることを示すデータが、最近次々と得られている。今回我々は、デフェンシン様タンパクの一群である分泌性のCRP(システインの多いポリペプチド)が、助細胞由来の誘引物質であることを明らかにする。我々は、胚嚢(卵装置)が突出してむき出しになっているユニークな植物、トレニア(Torenia fournieri)の助細胞を単離し、化学誘引物質の候補となる分泌タンパク質をコードする転写産物を同定した。2種類のCRPが助細胞で大量に発現され、これが卵装置の表面に分泌されていることがわかった。また、このCRPにはトレニア自身の正常な花粉管をin vitroで誘引する能力があり、これをLUREと名付けた。LUREに対するモルフォリノアンチセンスオリゴマーを注入すると、花粉管の誘引が阻害されることから、LUREがトレニアの助細胞から分泌される誘引物質であることが裏付けられた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度