Letter 免疫:ショウジョウバエの抗ウイルス免疫にはRNA干渉の全身的伝播が必要である 2009年3月19日 Nature 458, 7236 doi: 10.1038/nature07712 多細胞生物は、病原体から自己を守るために巧妙な防衛システムを進化させた。このような免疫系の重要な特徴の1つは、感染部位周囲と離れた未感染部位の両方に作用できることである。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)などの昆虫では、RNA干渉(RNAi)が抗ウイルス免疫を媒介する。しかしながら、ハエは全身性のRNAi応答を起こすことができないと考えられているので、ハエの抗ウイルスRNAi防御は局所的な細胞自律的過程であるように考えられてきた。今回我々は、最近明らかにされた二本鎖RNA(dsRNA)の取り込み経路が、ハエの成虫における効率的な抗ウイルス免疫に必須であることを示す。このdsRNA取り込み経路に欠陥のある変異ハエは、ショウジョウバエCウイルスおよびシンドビスウイルスの感染に対して感受性が高かった。dsRNA取り込みが不完全なハエの致死率は、ウイルス力価が100から105倍に上昇していること、およびウイルスRNAレベルが高いことと関係していた。さらに、ハエに裸のdsRNAを接種することによって配列特異的な抗ウイルス免疫応答が引き起こされたが、これには完全なdsRNA取り込み経路が必要だった。これらの知見は、dsRNAの非感染部分への伝播が効率的な抗ウイルス免疫に必須であることを示唆する。特に重要なのは、緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識したシンドビスウイルスの感染は、宿主がコードするGFPの発現を離れた部位で抑制したことである。したがって、脊椎動物のタンパク質を基礎とする免疫と同様、ハエの抗ウイルスRNAi応答もまた、ウイルス特異的な免疫シグナルの全身への伝播に依存している。 Full Text PDF 目次へ戻る