Letter 地球:龍門山とチベット高原の隆起と2008年Wenchuan地震(M = 7.9) 2009年3月12日 Nature 458, 7235 doi: 10.1038/nature07837 壊滅的被害をもたらした2008年5月12日Wenchuan地震(M = 7.9)が起きた場所である龍門山山脈は、ヒマラヤ造山帯の東縁を定め、チベット高原のどの場所よりも地形の起伏が大きい。しかし、この地震の前には、測地学的および地質学的調査からは山脈前部における縮小がみられず、山脈の地形が形成され維持されてきた過程については活発な議論がなされており、以下の2つの端成分モデルが提案されている。(1) 脆性的な地殻の厚化;この場合、リソスフェア内に根ざす、すべり量の大きな逆断層が隆起をもたらす。(2) 地殻の流れ;この場合、下部地殻の粘性の低い物質がチベット高原から外向きに押し出されて、ヒマラヤ山脈の北と東で膨張する。本論文では、平衡の取れた地質学的断面を用いて、地殻の縮小、構造の起伏、および地形が山脈前部で強く相関していることを示す。このことは、地殻の縮小が、高原の斜面にある龍門山山脈の隆起と地形を生じさせる主要原因となっていることを示唆している。山脈前部の逆断層の破壊により、何万人もの犠牲者と広範な被害をもたらした2008年Wenchuan地震(M = 7.9)は、このような縮小過程が実際に現れたものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る