Article 細胞:ESCRT-III複合体による膜の切断 2009年3月12日 Nature 458, 7235 doi: 10.1038/nature07836 ESCRT(endosomal sorting complex required for transport)系は多胞体の発生に不可欠で、積み荷の選別と内腔内小胞の陥入や切断とが、ここで結びつく。またESCRTは、ヒト免疫不全ウイルス1などのエンベロープをもつウイルスの出芽や、細胞質分裂時の膜の切断にも必要である。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のESCRT-IIIは、Vps20、Snf7、Vps24、Vps2(Did4ともよばれる)がこの順序で集合してできた複合体で、その解体にはATPアーゼVps4が必要である。本研究では、ESCRT-IIIに依存した内腔内小胞の出芽、切断による巨大単層小胞(giant unilamellar vesicle)の形成を再構築し、蛍光顕微鏡で画像化した。内腔内小胞の切り離しには、ESCRT-IIIの3つのサブユニットVps20、Snf7、Vps24があれば十分なことを示す。Vps4を引き寄せる働きをするESCRT-IIIサブユニットのVps2、およびVps4のATPアーゼ活性はESCRT-IIIの再生に必要で、次の出芽サイクルを助ける。小胞切り離しを複数回行うことができる最小単位である、ESCRT-IIIとVps4タンパク質は、古細菌から動物にまで保存されているESCRTタンパク質の、最も初期の単位に相当すると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る