Letter

物理:透明で稠密なナトリウム

Nature 458, 7235 doi: 10.1038/nature07786

圧力下で金属は、次第に短い原子間距離をとる。直観的には、この応答に伴って価電子帯と伝導帯の幅が広くなり、そのため、よりはっきりした自由電子的挙動が生じると予想される。しかし、現在実験で実現できる密度では、圧縮は内殻電子が重なるまで強くできる。この効果によって電子特性が、リチウム(Li)やナトリウム(Na)など単純な自由電子金属にみられる典型的な特性から大きく変化し、構造が複雑な相や高い臨界温度の超伝導が生じる。しかし最も興味ある予測は、単純金属のようにみえるLiとNaが、圧力下でアルカリ原子の対形成により絶縁性状態へ変わるというもので、これは実験ではまだ確かめられていない。本論文では、約200 GPa(約5.0倍の圧縮に相当する)で、Naが可視光に透明な相へ圧力によって変わるという実験結果を報告する。実験と計算のデータから、この新しい相がワイドバンドギャップ誘電体であり、6配位の大きく変形した二重六方晶稠密充填構造をとっていることを突き止めた。この稠密な絶縁性状態が出現するのは、原子が対形成したためではなく、価電子のpd混成と、それらが内殻電子による斥力によって格子間隙に入るためである、と我々は考える。このような絶縁性状態は、原子内殻が強く重なり始めるほど圧縮が十分強くなると、ほかの元素や化合物でも形成されると予測される。

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