Letter

進化:26Al/10Beによる埋没年代測定で決定された周口店のホモ・エレクトゥスの年代

Nature 458, 7235 doi: 10.1038/nature07741

「北京原人」として広く知られる周口店のホモ・エレクトゥス(Homo erectus)の年代は、長らく調べられてきたが、適切な年代測定法がなかったため、不確定なままであった。本論文では、周口店のホモ・エレクトゥスのうち、初期の代表的化石標本が発見された場所である中国の北京市南西部に位置する、「第一地点」の下層から収集された石英堆積物と人工遺物について、宇宙線生成核種比として26Al/10Beを用いる埋没年代測定を行った結果を報告する。この研究は、中国の初期人類の遺跡のうち、質量分析ウラン系列年代測定法の測定範囲を超えるものとしては、初めての放射性同位体年代測定である。6件の有意な計測年代値の加重平均は0.77±0.08百万年(Myr、平均値±標準誤差)となり、この値から、下位の文化層7〜10について最適な年代算定値が得られる。これまでに報告された洞窟生成物の方解石のウラン系列年代測定や古地磁気層序学、さらには堆積学的考察も考え合わせると、これらの層はさらに、およそ0.68〜0.78 Myr前の範囲にある中国の黄土層序におけるS6〜S7あるいは海洋同位体ステージ(MIS)の17〜19とも関連している可能性がある。これらの年代値は、これまで考えられていた値よりもかなり古く、中国北部に位置するこの場所には、MIS 18に対応する比較的穏やかな氷期を通じて初期人類が存在していたことを意味すると考えられる。

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