Letter 細胞:クロマチンのパターンから明らかになった、哺乳類で高度に保存された1,000個以上の大型非コードRNA 2009年3月12日 Nature 458, 7235 doi: 10.1038/nature07672 哺乳類細胞が大型の遺伝子間転写産物を何千も作っていることが、次第にわかってきている。しかし、これらの転写産物の機能的重要性については、議論が盛んに行われている。詳しく解明されている例もいくつかあるが、大半(95%以上)は進化上保存されている証拠がほとんどなく、転写のノイズではないかとみられている。今回我々は、クロマチンの状態マップを用いる新しい方法で大型の非コードRNAを同定し、既知のタンパク質コード遺伝子座の間に、個別の転写単位が介在していることを見いだした。この方法により、4種類のマウス細胞で、約1,600個の複数のエキソンをもつ大型RNAを同定した。これまでの例とは対照的に、この大型介在性非コードRNA(lincRNA)は、そのゲノム遺伝子座、エキソン配列、プロモーター領域について強い純化選択を受けており、95%以上が明確な進化上の保存を示している。我々はさらに、lincRNAそれぞれの機能を推定する機能的ゲノム科学的手法を開発し、lincRNAが胚性幹細胞の多能性をはじめ、細胞増殖など幅広い過程でさまざまな役割を担うことを明らかにした。またこれとは独立に、細胞を用いた分析によって、100以上のlincRNAの推定機能を検証した。特に、特異的なlincRNAの転写が、p53、NFκB、Sox2、Oct4(Pou5f1ともよばれる)、Nanogといった重要な転写因子によって、こうした過程で調節されていることも実証する。これらの結果によって、高度に保存され、さまざまな生物過程にかかわると考えられる、独特な機能性lincRNA群の存在が明らかになる。 Full Text PDF 目次へ戻る