Letter 構造:フラビンモノヌクレオチドリボスイッチによる補酵素の認識と遺伝子制御 2009年3月12日 Nature 458, 7235 doi: 10.1038/nature07642 いくつかのタンパク質補因子の生合成は、リボスイッチによるフィードバック制御を受けている。フラビンモノヌクレオチド(FMN)特異的リボスイッチは、RFNエレメントともよばれており、リボフラビン(ビタミンB2)やその関連化合物の生合成と輸送にかかわる細菌遺伝子の発現を指示する。今回我々は、細菌の一種Fusobacterium nucleatumのリボスイッチが、FMN、リボフラビン、抗生物質ロゼオフラビンに結合した際の結晶構造について報告する。隣り合ったヘリックスが同方向を向いて重なり合うのが大型のRNAの典型的な折りたたみ方だが、FMNが結合した6本のステムの接合部に中心を置くFMNリボスイッチの構造はこのような形をとらない。ここでは、方向は逆だが、ほぼ同じ折りたたみ方の周辺ドメインどうしが互いにつなぎとめられて、蝶のような形状の骨格を作っている。FMNは接合部位内で非対称的に配置されており、発色団であるイソアロキサジン環との相互作用、およびリン酸部分との直接的またはマグネシウムが介在する接触によって、RNAと特異的に結合している。我々の構造データを、結合実験、並びにフットプリント実験の結果により補足すると、RNAはあらかじめ大部分が折りたたまれた立体構造をとっており、接合部結合ポケット内のコンホメーションの移行によってFMNが認識されることが示唆される。FMN結合ポケットはもともと可塑性があり、大きな開口部が存在するので、リボスイッチは、構造に基づいてFMNに似た抗菌化合物を設計する際のよい標的となると考えられる。我々の研究から、自発的また抗生物質により誘導される脱調節性の変異の影響も説明でき、正常株、並びにリボフラビン過剰生産細菌株での、FMNを基盤とする遺伝子発現制御についての分子レベルでの手がかりが得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る