Letter 進化:デボン紀の節頸類化石の胎仔と、脊椎動物における体内受精の起源 2009年2月26日 Nature 457, 7233 doi: 10.1038/nature07732 化石記録に生殖生物学的な特性に関する証拠が残ることは、極めてまれである。最近、絶滅した甲冑魚類である板皮類の化石標本内で初めて、胎仔が発見された。これは、冠系統の顎口類(軟骨魚綱および硬骨魚綱)に属さない脊椎動物の一群に、胎生の生殖様式が存在したことを示している。これらの胎仔が発見されたプチクトドゥス類は板皮類の小規模な一群で、系統発生学的にみて、板皮類で最大の分類群である節頸類よりも原始的である。今回我々は、オーストラリア西部にあるデボン紀後期のゴーゴー累層(約3億8,000万年前)から出土した節頸類のIncisoscutum ritchieiの標本内部に、胎仔を発見した。これは、この多様な分類群で体内受精による生殖が行われたことを示す、我々の知るかぎりで最初の証拠である。Incisoscutumおよび一部のフィロレピス類節頸類は、軟骨魚類でみられるように、付加的な1個もしくは一連の軟骨要素と遠位で連結した、長い基鰭軟骨をもつ腰帯を有していることがわかり、腹びれが交尾に利用されていたことが示唆された。下位顎口類に関する現行の系統分類を考慮すると、プチクトドゥス類、節頸類、および軟骨魚類の類似した腰帯骨格構造の間には相同性が成立しがたく、この類似性は収斂(成因的相同)によるものである可能性が高い。今回の新たな知見により、最古の顎口類では、体内受精および胎生による生殖が、予想されていたよりもはるかに広く行われていたことが確認された。 Full Text PDF 目次へ戻る