Letter 植物:植物では、機能をもった幹細胞ニッチを器官再生に必要としない 2009年2月26日 Nature 457, 7233 doi: 10.1038/nature07597 植物は、根やシュート(苗条)の継続的な成長のために、茎頂部にある幹細胞ニッチの維持を必要とする。しかし、植物細胞の発生上の可塑性は実証されているが、器官形成に幹細胞ニッチが必要かどうかは不明である。今回我々は、分化中のさまざまな細胞について、幹細胞ニッチの活性なしに器官を再生する能力の有無を調べた。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の根端再生系を用いて、細胞運命の回復を分子と機能の面から追跡し、失われた細胞特性を回復する再特殊化が、切除から数時間以内に始まり、特殊化した細胞の機能は、1日以内に回復することがわかった。特に重要なのは、幹細胞ニッチの維持ができない変異をもつシロイヌナズナでも再生が進むことである。これらの結果は、完全な器官の再生にかかわる、幹細胞に似た特性が植物の分裂組織に分散的に存在し、ニッチに限局されていないことを示している。それでも、ニッチは植物の無限成長に必要らしい。型通りの幹細胞環境への移行なしに器官全体を再生できるこの再プログラミングには、成体動物の臓器で最近報告された、誘導による特定の細胞の分化転換と興味深い類似点がある。 Full Text PDF 目次へ戻る