Article 発生:APPはDR6に結合して、軸索剪定と特殊なカスパーゼを介したニューロンの死の引き金となる 2009年2月19日 Nature 457, 7232 doi: 10.1038/nature07767 発生の際には、軸索剪定と神経細胞の死が自然に起こってニューロン結合の形を整える助けとなるが、その機構の基本はほとんど解明されていない。本論文では、β-アミロイド前駆体タンパク質(APP)とデス受容体6(DR6、TNFRSF21とも呼ばれる)が、広範なカスパーゼ依存性自己破壊プログラムを活性化することを報告する。DR6は発生中のニューロンで広く発現しているタンパク質で、in vivoでも、またin vitroで栄養因子を欠乏させた場合にも、正常な細胞体の死と軸索の剪定には必要である。ニューロンの細胞体のアポトーシスにはカスパーゼ3が必要だが、それとは異なり、軸索の退縮にはカスパーゼ6が必要なことがわかった。カスパーゼ6の活性化は、軸索の断片化のパターンと対応するように点状に散らばったパターンで起こる。DR6は、不活性な表面リガンドが栄養因子の欠乏後に活性型になって放出されることにより、局所的に活性化される。我々は、このDR6リガンドがAPPであることを突き止めた。栄養因子の欠乏が引き金となって表面のAPPが遊離するが、これはβ-セクレターゼ(BACE)に依存して起こる。機能喪失と機能獲得の研究によって、切断されたAPPのアミノ末端断片(N-APP)がDR6に結合し、退縮を引き起こすというモデルが裏付けられた。変異マウスの共通する神経筋接合部の表現型によって、遺伝的な裏付けも得られた。今回の結果は、APPとDR6はニューロンの自己破壊経路の成分であり、APPの細胞外断片がDR6とカスパーゼ6を介して働き、アルツハイマー病の一因となっている可能性を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る