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細胞:広範囲に存在する双方向性プロモーターが酵母の隠れた転写物の主要な供給源となる

Nature 457, 7232 doi: 10.1038/nature07747

真核生物では広範囲にわたって起こり、表に現れない転写が広く認められるが、そうした転写産物の全体量、それらが生じる仕組み、および機能的重要性は不明である。最近、CUT(cryptic unstable transcript)が酵母(Saccharomyces cerevisiae)のRNAポリメラーゼII転写物の主要クラスであることが報告された。これらの転写産物は、合成直後にNrd1-エキソソーム-TRAMP複合体によって選択的に分解される。CUTの分解機序については詳しく解析されてきたが、ヌクレオチドレベルでのゲノム全域にわたる分布や、CUTの発生率については不明である。今回我々は、酵母のCUTに関する高分解能ゲノムマップを初めて報告し、機能をもつと思われるCUT類、並びに双方向性を示す真核生物の内在性プロモーターについて報告する。CUTを大量に含むRNA分画について、3′ Long-SAGE法による、塩基配列の詳細な解析を行った。こうして作製されたCUTの詳細なゲノムマップから、CUTは極めて広範にわたる、詳細が明らかにされている転写単位に由来しており、不特定な転写ノイズによるものではないことが明らかになった。さらにCUTの転写は主に、ヌクレオソームのない、大部分が真の遺伝子のプロモーター領域にあたる場所で生じる。CUTの中には、メッセンジャーRNAの上流で開始され、その5′末端がオーバーラップしているものもある。解糖系遺伝子に関する我々の研究でも、最近の論文における結果と同様に、このような同時に起こる転写が制御機序に関与する可能性を示している。今回の結果は、このような制御的作用をもつ可能性のある、多数の新たなCUTの存在を示している。しかし、同定されたCUTの大半は、遺伝子のプロモーター領域から生じる多様な転写物に相当し、多くの、おそらく大部分のプロモーターで生じる分岐転写の副産物に相当することが明らかにされた。したがって、真核生物のプロモーター領域は本来双方向性であり、この性質は基本的なものだが、ほとんどの例では、多岐にわたる転写によって生じる短寿命で不安定な転写産物の定常状態での存在量が非常に低いため、これまで解析がされなかったものと考えられる。

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