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細胞:両方向性プロモーターは酵母で広範囲の転写を引き起こす

Nature 457, 7232 doi: 10.1038/nature07728

ゲノム全域に広がる転写がさまざまな真核生物で報告されており、これまで知られていなかった多数の非コードRNAを含んだ、トランスクリプトームの高度にインターリーブした構造が明らかになっている。これらの最近同定された転写産物は、細胞内に安定に存在する(SUT;stable unannotated transcript)か、RNAサーベイランス経路によって迅速に分解される(CUT;cryptic unstable transcript)かのどちらかである。広範囲転写の1つの特徴は、これまでに注釈付けされている配列とSUT、CUTが広い範囲で重なり合っていることで、このことから、これら転写産物はどのように生じるのか、また、これらが機能をもつのかという疑問が生じる。1個の遺伝子についての研究から、SUTとCUTの転写が、生じたRNAあるいはその生成自体がかかわる機構によって実際に機能している可能性が明らかになっている。しかしこれまで、SUT、CUTを含めた完全なトランスクリプトームの構造は、どのような生物でも調べられていない。これらの転写産物の位置やゲノム全域での構成がわかれば、その機能解明の助けになる。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のエキソソーム変異株およびさまざまな系統の株という複数の条件下で、このような転写産物の包括的解析を行った。SUTとCUTは、特定の位置で異なる分布パターンを示すことが明らかになった。新たに同定された転写産物の大半は、ほかの転写産物(ほとんどはタンパク質コード遺伝子)のプロモーターにつながるヌクレオソームのない領域(NFR)か、タンパク質コード遺伝子の3′末端にあるNFRから始まっている。同様に、全タンパク質コード転写産物の約半数は、ほかの転写産物のプロモーターにつながるNFRから始まっている。これらのデータは、ゲノムの転写様式に関するこれまでの見方を変えるもので、両方向性がプロモーターが本来的にもつ性質であることを示している。このような両側への重複した転写産物の配置が、調節シグナルを局所的に広げる仕組み、すなわち、転写の干渉やヒストン修飾による隣接遺伝子の転写調節を共役させる仕組みになっているのかもしれない。

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