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細胞:FAS-FADDデスドメイン複合体の構造から明らかになった受容体クラスター形成によるシグナル伝達

Nature 457, 7232 doi: 10.1038/nature07606

受容体FasとFADD(Fas-associated death domain protein)、およびカスパーゼ8による細胞死誘導シグナル伝達複合体(DISC)の形成は、アポトーシスの重要な引き金である。Fas-FADD DISCは、受容体シグナル伝達の基盤に当たり、いったん構築されるとプログラム細胞死の誘導が開始される。DISC形成の中心となるのは、FasとFADDのデスドメインで構成された、同型のタンパク質間の相互作用からなるオリゴマー化が進んだ相互作用ネットワークである。したがって、DISCによるシグナル伝達の解明には、Fas-FADD相互作用の基本機構の性質を明らかにすることが重要だが、構造データがないためにほとんど解明は進んでいない。今回我々は、ヒトFas-FADDデスドメイン複合体の形成と単離に成功し、分解能2.7 Åでの結晶構造を得たことを報告する。この複合体は、4個のFasデスドメインに結合した4個のFADDデスドメインからなる四量体構造をもつ。Fasデスドメインが開くとFADD結合部位が露出し、同時にFas-Fas架橋が生じることがわかった。この結果は、Fas-FADD複合体に、弱いタンパク質-タンパク質相互作用によって制御される調節性の架橋があることを示しており、複合体自体が機械的スイッチとして機能するというモデルが考えられる。このスイッチは偶発的なDISC形成を防ぎ、十分な刺激を受ければ、高度に連続的なDISC形成とクラスター形成を可能にしている。今回の結果は、デスドメインのこれまで知られていなかった相互作用様式を示すだけでなく、オリゴマー化とクラスター形成だけによる受容体シグナル伝達の機構を明らかにしている。

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