Letter 細胞:Runx1は内皮細胞から造血細胞への変化に必要だが、その後は不必要である 2009年2月12日 Nature 457, 7231 doi: 10.1038/nature07619 造血幹細胞(HSC)は生体の造血系の創始細胞であり、したがって、発生の際にHSCの生成を誘導するプログラムの分子レベルでの解明が、造血系の再生治療に重要である。Runx1は、マウスの受胎産物(大動脈、卵黄動脈、臍帯動脈、卵黄嚢、胎盤)の血管領域でのHSC生成に必要とされる、極めて重要な転写因子である。HSCは、血管内皮細胞から動脈内クラスター形成を経て生じるとされており、Runx1は「造血内皮細胞」からHSCへの変化の際に機能すると考えられている。今回我々は、マウスの血管内皮カドヘリン陽性内皮細胞のRunx1活性を条件的に欠失させることにより、これが確かに動脈内クラスター、造血前駆細胞、HSCの形成に不可欠であることを明らかにする。しかしRunx1は、HSCで発現する最初の全造血系共通遺伝子の1つであるVav1を発現する細胞には必要でない。これらのデータを総合すると、Runx1の機能は内皮細胞において、血管からの造血前駆細胞とHSC形成のために不可欠だが、Vavの発現が始まる前、あるいは始まったときに、Runx1の必要性は消失することが示される。 Full Text PDF 目次へ戻る