腫瘍壊死因子受容体(TNFR)シグナル伝達を直接制御するタンパク質は、細胞の活性化と生存の制御に重要な役割をもつ。ABIN-1(A20 binding and inhibitor of NF-κB)は、NF-κBシグナル伝達を阻害すると考えられる新規のタンパク質である。本研究では、ABIN-1欠損マウスは胎児の肝臓のアポトーシス、貧血、形成不全により、胚発生期に致死となることを示す。ABIN-1欠損細胞は、腫瘍壊死因子(TNF)によるプログラム細胞死に対して高い感受性を示し、TNF欠損によってABIN-1欠損胚は救済される。TNFが誘導するシグナル伝達複合体では、ABIN-1はカスパーゼ8のFADD(Fas-associated death domain-containing protein)への誘導を阻害し、カスパーゼ8の切断とプログラム細胞死を抑制する。さらに、ABIN-1はポリユビキチン鎖に直接結合し、このユビキチン感知能力は、ABIN-1の抗アポートシス活性に必要とされる。これらの研究は、ユビキチン化とユビキチン感知タンパク質が、細胞と個体の生存を制御する仕組みを知る手がかりとなるだろう。