Letter

細胞:合成プロモーターとゲノムプロモーターでの組み合わせcis調節の解析

Nature 457, 7226 doi: 10.1038/nature07521

転写因子の結合部位は続々と発見されており、これらの部位がどのような組み合わせで働いて遺伝子発現に影響を及ぼすのかを解明することが必要となってきた。この問題の解明には、プロモーター配列から遺伝子発現を正確に予測する定量的モデルが不可欠だろう。本論文では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の複数の合成プロモーターライブラリーの解析に基づいて作製した定量的モデルを提示する。転写因子のDNAに対する結合や転写因子どうしの平衡結合だけに基づいた熱力学モデルによって、すべてのライブラリーで発現の変動の大部分をとらえることができた。これらのライブラリーの熱力学的解析によって、共同性や弱い結合部位の影響など、今回の系に存在するいくつかの現象が明らかになった。出芽酵母のゲノムに応用すると、Mig1(合成プロモーター上に標的がある)による抑制のモデルによって、プロモーター中に機能するMig1結合部位をもたない多数の遺伝子がMig1によって調節されていることが予測される。このような熱力学的手法の成功から、cis調節部位の組み合わせにコードされる情報は、まずタンパク質-DNA、タンパク質-タンパク質の単純な相互作用を介して解釈され、ヌクレオソームの修飾といった複雑な生化学反応が介在するのはもっと下流と考えられる。合成プロモーターライブラリーの定量的解析は、組み合わせcis調節の基盤となる法則解明の重要な手段になるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度