Letter 地球:過圧状態にある沈み込んだ海洋地殻と巨大逆断層によるシーリングに対する地震学的証拠 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07650 水と含水鉱物は沈み込み帯でプレート境界を弱化させ、滑りを助けて沈み込み(実際にプレートテクトニクス)を生じさせることで、地球力学的過程に重要な役割を果たす。島弧前弧のマントルウェッジ内に水が存在することの地震学的兆候は、地震波のS波速度が遅いという蛇紋岩化の特徴を示す異常から明らかである。しかし、沈み込むプレート自体に水が存在することを示す地震学的観測結果はほとんどない。本論文では、遠地地震波の変換波を用いて、カスケイディア大陸縁辺地域から、その前弧マントルとの境界域までの沈み込んだ海洋地殻の中で異常に高いポアソン比を観測したことを示す。圧力、温度、および鉱物組成を考慮すると、ポアソン比の上昇は、静岩圧に近い空隙圧で、水が流体の形で浸透して存在していることを示している。海洋地殻上部では地震波に強い負の速度コントラストが観測されることと併せて、この結果は巨大逆断層が透水率の低い境界であることを示唆している。マントルウェッジの下に沈み込むプレート境界が、透水率が低い境界から高い境界へと変化することは、地殻のエクロジャイト化とマントルの蛇紋岩化の始まりによって境界全域で体積変化が起こり、シールが水圧破砕することで説明される。今回の結果は、地震発生、沈み込み帯の構造、間欠的な微動と滑りのメカニズムの解明に重要な関連がある可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る