Letter 細胞:リアルタイムイメージングを用いた、造血幹細胞の機能的ニッチの検出 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07639 造血幹細胞(HSC)ニッチの存在は何十年も前に提案されていたが、ようやく最近になって骨芽細胞および血管の微小環境が別々のHSCニッチとして同定された。これらの微小環境とHSCのin vivoでの関係や相互作用については、ほとんど解明されていない。今回我々は、新しく開発したex vivoリアルタイムイメージング技術と免疫測定法を用いて、精製GFP+(green-fluorescent-protein-expressing)HSCのホーミングを追跡した。移植したHSCは、放射線照射したマウスでは骨内膜(骨の内側表面)へとホーミングする傾向があるが、放射線照射しないマウスではランダムに分布し、不安定なことがわかった。また、GFP+ HSCは緻密骨よりも海綿骨領域にみられることが多く、このことはScl(stem-cell-leukaemia)プロモーター/エンハンサーによる生物発光のライブイメージングで確かめられた。HSCは血管系を通って骨髄へとホーミングする。骨内膜には血管系が発達し、この血管系はニッチの構成要員として知られるN-カドヘリン+前骨芽細胞の近くにあることが多い。リアルタイムイメージングを使った個々のHSCの挙動の観察により、放射線照射マウスではホーミングしたHSCの一部が活発に分裂することがわかり、これはフローサイトメトリーで観察されたHSCの増殖と符合している。したがって、骨髄中心部とは対照的に、骨内膜は特殊な領域を形成しており、ここで通常はHSCが維持されるが、骨髄に損傷が起こるとそれに応じてHSCの増殖が促される。 Full Text PDF 目次へ戻る