Letter 量子情報科学:トリフォトンのスクイージングとオーバースクイージング 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07624 量子力学は測定精度に対して原理的な限界を課す。ほとんどの状況では、測定の不確定性は、対になった相補的な特性の間に等しく分配される。これから測定分解能の「標準量子限界」が生じる。「スクイージング」として知られる技術を使うと、目的とする特性のうちの1つの不確定性を標準量子限界以下へと小さくできるが、その代償として、もう一方の相補的な特性の不確定性は増大する。スクイージングは既に重力波検出器の感度を高めるために使われており、原子時計や光通信など、ほかの高精度な応用でも重要な役割を果たすと考えられる。スピンスクイージング(角運動量変数のスクイージング)は強力な手段であり、特に、量子光-物質インターフェイスでは強力である。光スピンスクイーズド系では、スクイージングの目覚しい利得が得られているが、ハイゼンベルグ不確定性限界として知られる可能な最大スクイージングからはまだ多数桁も離れている。本論文では、どのようにすれば光学系をこの基本限界まで本質的にスクイーズできるかを明らかにする。区別できない3個のフォトンを光ファイバー中で重ね合わせ、それらの偏光(スピン)を操作して、スピンスクイーズド状態を構成し、その結果、「トリフォトン」として知られるスクイーズド複合粒子が形成された。偏光の対称性から、測定したトリフォトン状態は、球面上の準確率分布によって最も自然に表せると考えられる。我々は、可能なスクイージングの限界を偏光の球面トポロジーが設定し、その結果、その球面全体を包む準確率分布が生じることを示し、この現象を「オーバースクイージング」と名付けた。このような少数フォトンの領域で観測されたスピンスクイージングは、改良された測定、リソグラフィーや情報処理を行うための、個々のフォトンに精密なエンジニアリングが可能な新しい量子リソースにつながるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る