Letter 細胞:がん腫が産生する因子がTLR2を介して骨髄細胞を活性化し転移を促進する 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07623 転移の進行は、がん細胞に特有の遺伝的な変化だけでなく、進行した腫瘍が作り出す炎症性微小環境にも依存する。がん細胞がどのように炎症性微小環境に影響を与えるかを解明するために、生化学的なスクリーニングにより、転移性のがん腫から分泌されるマクロファージ活性化因子を探索した。本論文では、スクリーニングを行った細胞株中では、ルイス肺がん(LLC)が最も強力にマクロファージを活性化し、Toll様受容体(TLR)ファミリーに属するTLR2およびTLR6の活性化を介して、IL-6や腫瘍壊死因子α(TNF-α)の産生を引き起こすことを示す。LLCの転移には、TNF-αとTLR2の両方が必要であることがわかった。LLCならし培地上清(LCM)の生化学的精製により、細胞外マトリックスのプロテオグリカンであるバーシカンが見つかった。バーシカンは、肺がんを含む多くのヒト腫瘍で発現が上昇しており、TLR2やその共受容体であるTLR6およびCD14を介して作用するマクロファージ活性化因子である。バーシカンは、骨髄細胞のTLR2:TLR6複合体を活性化し、TNF-αの分泌を誘導することによって、強力にLLCの転移増殖を推し進める。これらの結果は、進行したがんの細胞がどのように宿主の自然免疫系の構成要素(骨髄由来の骨髄系前駆細胞など)を障害し、転移成長に適した炎症性微小環境を作り出すのかの説明となる。 Full Text PDF 目次へ戻る