Letter 生化学:折りたたみを行う空洞内に新たに折りたたまれたタンパク質を閉じ込めた状態のシャペロニン複合体 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07479 必須の細胞タンパク質の中には、シャペロニン(大腸菌ではGroELとGroES)の助けを必要とするものがあり、シャペロニンが作る2つのリングからなる複合体では、これらのリングが交互に働いて、広範囲にわたる新生タンパク質あるいはストレスで変性したタンパク質を結合し、閉じ込めて、折りたたみを行う。この過程は、GroELリング中央の空洞の疎水的な表面へ基質タンパク質が捕捉されることから始まる。次に、そのリングへATPとコシャペロニンGroESが結合し、折りたたみを強制的にほどくなどの大きなコンホメーション変化によって、本来と異なる構造のタンパク質をその結合部位から押し出し、折りたたみのための親水性の空洞内に閉じ込める。ATPの加水分解とそれに続くもう一方のリングへのATP結合によって、空洞の解離と基質タンパク質の放出が起こる。バクテリオファージT4は独自のGroESであるgp31を必要とし、これは主要なウイルスキャプシドタンパク質gp23を折りたたむための、より背が高い折りたたみ空洞を形成する。ポリペプチドはシャペロニン複合体の内部で折りたたまれることが知られているが、空洞内に閉じ込められたタンパク質のコンホメーションはこれまで可視化されていない。今回我々は、反応初期の捕捉状態のgp23と、折りたたみ空洞内に閉じ込められた最終段階の、本来の構造に近い状態のgp23と複合体を作ったシャペロニンの構造を示す。空洞は広がっているが、それでも細長いgp23単量体を辛うじて閉じ込められる程度の大きさで、GroEL-GroES複合体がgp23を折りたためない理由が説明されるとともに、生理的基質である大型のタンパク質を閉じ込めるのにシャペロニンの構造がどのように変形するかを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る