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進化:ショウジョウバエのY染色体では遺伝子構成の保存度が低い

Nature 456, 7224 doi: 10.1038/nature07463

染色体の構成は進化の過程でも十分に安定であり、哺乳類とフグほど遠く離れた(4億5,000万年前に分岐)生物種の間でも遺伝子構成に大きいシンテニー領域が認められる。双翅目では、X染色体と常染色体の遺伝子構成はよく保存されており、ショウジョウバエ属では、塩基配列の解読された12種(4億年にわたる昆虫の進化の中で6,300万年前に分岐した)をみると、95%以上の遺伝子が同一の染色体腕上にとどまっており、同じ連鎖群がカ(2億6,000万年前に分岐)のゲノムにも明らかに認められる。今回我々は、塩基配列の解読された12種のショウジョウバエについて、Y連鎖遺伝子の保存状況を調べた。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のY連鎖遺伝子のうち、調べた12種すべてでY連鎖遺伝子だったものはわずか4分の1(12個のうち3個)だけで、大半(12個のうち7個)は獲得したのが6,300万年前よりも後であることがわかった。つまり、ショウジョウバエのほかの染色体の構成はさかのぼるとカとの共通祖先にまでたどり着くが、キイロショウジョウバエのY染色体の遺伝子構成はそれらよりはるかに新しい。Y染色体の進化には遺伝子喪失が重要な役割を果たすことが知られており、我々は実際に、その実例を2つ発見した。しかし、調べたショウジョウバエのY染色体では遺伝子獲得の速度が遺伝子喪失速度の10.9倍(95%信頼区間:2.3〜52.5)にも上り、Y染色体の遺伝子量が明らかに増加傾向にあることを示している。哺乳類のY染色体とは対照的に、ショウジョウバエのY染色体の進化では遺伝子獲得が大きな役割を果たしている。

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