Article 免疫:ランブル鞭毛虫の抗原変異はRNA干渉によって制御されている 2008年12月11日 Nature 456, 7223 doi: 10.1038/nature07585 ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia、Giardia intestinalisとも呼ばれる)は、ヒトの最も一般的な腸内寄生虫の1つである。ランブル鞭毛虫は宿主の免疫応答を回避するために抗原変異を起こすが、これは慢性感染や反復感染を可能にする過程の1つである。ランブル鞭毛虫は、1個体の表面に、およそ190種類の変異特異的表面タンパク質(VSP)をコードする遺伝子のレパートリーから1種類のVSPのみをある期間発現するが、これは未知の機序によって異なる種類のVSPへと自発的に切り替えられる。今回我々は、VSP発現制御に、RNA干渉装置の構成要素として知られるRNA依存性RNAポリメラーゼDicerおよびArgonauteからなる系が関与することを示す。単一の表面抗原を発現するクローンでは、数種類のVSP遺伝子が高効率で転写されるが、実際に発現されるVSPをコードする転写産物のみが蓄積される。サイレンシングを受けた複数のVSP遺伝子に対応するアンチセンスRNAと、サイレンシングを受けたvspに由来する低分子RNAが検出されたが、発現されたvspのRNAは見いだされなかったことから、抗原変異にはRNA干渉経路が関与していると考えられる。DicerとRNA依存性RNAポリメラーゼのサイレンシングによって、鞭毛虫個体において発現するVSPが1種類から複数種類へと切り替わることは、注目すべきである。 Full Text PDF 目次へ戻る