Letter 宇宙:惑星HD 189733bの昼側の放射スペクトルに存在する水の強い吸収線 2008年12月11日 Nature 456, 7223 doi: 10.1038/nature07574 太陽系外惑星HD 189733bの最近の観測では、この惑星の放射スペクトル中に水の存在を示すものはみられなかった。しかし、このような「ホットジュピター」惑星のモデルでは、大気中の水蒸気の存在が予測されている。こうしたモデルの妥当性を検証し制約を加えることは、極限環境での惑星大気の物理学的および化学的性質の解明に極めて重要である。HD 189733bの大気中に水が存在することの兆候は、惑星大気が選択的に親星の光を吸収している透過スペクトル中で最近発見され、また広帯域測光観測でも見いだされている。本論文では、この惑星自身の、高いS/N比をもつ中赤外放射スペクトルに水の強い吸収線を検出したことを報告する。10 µmより短い側のフラックス比の急激な減少と、不連続なスペクトル特性の両方が見いだされたが、これらは水蒸気による強い吸収の特徴である。これらの観測結果とこれまでの結果の違いは顕著で、予測される惑星規模の力学的な天候構造が、長い間に放射スペクトルを変える可能性が認められる。観測されたスペクトルと広帯域測光観測に一致するモデルは、昼側から夜側への熱の再分布が弱いことを示唆している。このことと夜側の高い温度とを共に満足させるには、大気循環あるいは考えられるまた別のエネルギー源について、さらなる解明が必要である。 Full Text PDF 目次へ戻る